薬局って薬出すだけなのになんであんなに遅いの?~その疑問に現役薬剤師がお答えします。
具合が悪いから病院に行った!
病院の予約は10時から。10時ぴったりに入ったのに診察は12時過ぎ…そして3分診察!
薬は薬局でもらわないといけない。
その薬局もめっちゃ混んでいてなかなか薬がもらえない!(ToT)
余計に具合悪くなるやろ~~~!!!
そんな経験のある方も多いんではないでしょうか?
薬局ってなんですぐに薬くれないの?
その疑問を現役薬剤師である私が薬局の待ち時間について解説します。
医薬分業化が進んだ理由
できれば病院でそのまま薬をもらいたいですよね…
でも以下の解説を読んでいただければ、医薬分業化(ドクターが処方箋を発行し、薬局で薬をだしてもらう)が進んだ理由がわかるかと思います。
ドクターが自由に薬を選べる
薬って結構高いんですよ。病院で薬を渡すとなると病院側がたくさん在庫を抱えなければいけない。
そうするとドクターはきっとある在庫で対応しようとします。
外に処方箋を出すことによってドクターは在庫の管理をしなくて済むのです。
新しい薬や、患者さんそれぞれにぴったりの薬をドクターは選びやすくなります。
ドクターと薬剤師で処方箋のダブルチェックができる
実は結構あるんですよ、ドクターの処方間違い(^_^;)
これおかしいなと思ったら患者さんに薬を出す前に、薬剤師はドクターに電話をして確かめてます。
そこでドクターのミスが発覚 → 患者さんには正しい薬を渡せる。
薬を渡すのが病院だけだと、このミスに気づかないこともあります。
他にも、薬局で薬をもらうことによって、薬をもっとたくさん欲しい、シップも欲しかったんだけどなど、ドクターに聞きにくかったことを薬剤師に伝えると、ドクターにお願いしてくれるので患者さんも満足してくれます。
患者さんも、飲んでいる薬だけでなく家族の薬など薬で教えて欲しいことを薬剤師に色々聞いてみてください。
もしかしたら 答えがわからなくて戸惑う薬剤師もいるかもしれません。
そんな時は先輩薬剤師に確認するか、調べてから教えてくれますよ。
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調剤に時間がかかる理由
さていよいよ本題です。
薬の用意をするのに時間がかかる理由です。
入力に時間がかかる!
患者情報をパソコンに入れないといけません。
入力しないことには薬情報や領収書が出ないですからね、この作業は必須なのです(^_^;)
正直パソコンに患者情報を入れるのはそこまで時間はかからないです。
薬情報や領収書の印刷に時間がかかるんですよ…
これぱっと出てくる薬局あるんでしょうか?あるなら使ってる機械を教えてください(ToT)
錠剤の1つや2つならすぐに出せますよ、でも中には手強い薬もあるんです…
塗り薬
軟膏を混ぜるのに時間がかかる! 軟膏やクリームのチューブから薬を全部出して、塗り薬同士を混ぜてるんですよ。
まず軟膏板をアルコールで消毒して、ヘラを消毒して、軟膏壺を消毒して、軟膏チューブのふたを外して中身を出して混ぜ合わせる!
混ぜるのも均等に…混ぜ終わったら軟膏壺に詰めていく。
これだけでめっちゃ時間かかります(ToT)
薬を1つにまとめる一包化
おじいちゃん、おばあちゃんに多いんですが、薬の種類が多すぎて飲み間違いをしてしまう人がいるのでそんな人たちのために薬をまとめます。
薬のヒートから錠剤を1つずつ出して、朝昼夜と一回に飲む薬ごとにまとめます。 錠剤を出すのにも時間がかかるし、分けて分包するのにも時間がかかる…
そして一袋ずつぜ~んぶ見直しをする(ToT)
時間かかってもしょうがないんではないでしょうか(^_^;)
さらに錠剤を半分に割ったり、粉砕する人までいる!(゜ロ゜;ノ)ノ
ミキサー的なものでガガガっと粉状になるまで砕きます。
粉薬、シロップ剤
粉薬は0.00グラム単位まで正確に計ります。
そして3種類も4種類も計って混ぜ合わせる!
体重に対し量が適切かどうかも計算しないといけない。 最後に一回一回きちんとしたグラムで分包されているかどうかを確認する。
シロップ剤も同じ。
適切な量が処方されているか確認するのと、3、4種類出てるシロップを慎重に計って瓶に入れていく。
シロップを入れる瓶に1回分がわかるようにメモリをつける!
薬局にも時間がかかる理由があるのです(ToT)
薬が不足している
処方箋は色々な病院から来ますからね、置いていない薬もあるのです(ToT)
そんなときは近くの薬局に分けてもらうか、卸しさんに注文して持ってきてもらいます。
自分は錠剤1つなのにすごい時間待たされてるんだけど!
そういった方は気の毒なんですが、前の患者さんが時間がかかる薬の患者さんだと、どんどんずれ込んでいってしまうんです。
本当にこれは申し訳ないです(´д`|||)
患者さんに薬を渡す!その前に…
薬が処方箋と正しいか確認し、入力が合ってるかどうかも確認する。
そして他に飲んでいる薬がないかチェックします。
患者さんによっては色々な薬局でもらったり、市販の薬を飲んでいる方もいますからね。
お薬手帳を確認し、念のため患者さんにも他に飲んでいる薬がないか聞き出します。
みんなお薬手帳はちゃんと持ってきてね!
私この記事の時、薬局が開設して間もなくて人不足だったから入力、ピッキング、チェックぜ~んぶ一人でやってた!
おまけに薬がないの(ToT)
死ぬ…ってか死んだ。
よくやってたよ、わたし!
薬局で待ちたくない!そんな方には
病院から薬局にFAXを送ってもらう
だいたいの病院がFAXを送ってくれると思います。受付の方に頼んでみてください。
薬局で薬ができたら電話してもらう
処方箋だけを置いておいて外出しちゃってください。
薬をお渡しできる状態になれば、電話で教えてくれますよ。
すぐに取りに来ないと分かれば後回しにされて、せっかく取りに来たときにまだできていないという悲劇を回避するためにも薬ができたら電話してもらうのがいいですね。
最後に
あまり薬局の人を困らせないであげてください (^_^;)
私達薬剤師はミスがないように薬の準備をしています。
待ち時間が長くてイライラするのはわかるんですが、ミスなしで早く用意できるように薬局側も必死なのです…
処方箋の入力が合っているか、用意した薬が合っているか何度も見直しをしてます。
あまりにも早く薬を用意する薬局は逆に怖くないですか?
薬ですよ?
薬 = 人に影響に与えるものよ?
ただ、もう少し早くして、急いでいる。などは言ってもいいと思いますよ。
患者さんの声を聞くのも仕事ですから(^o^)
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