薬剤師ママの子育て応援ライフ!

1歳、2歳男子を子育て中!。転勤族妻で薬剤師のワーキングママです。育児や仕事のこと。

地獄のつわりで入院指示。それでも仕事を休めなかった女性管理職の話

 

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ロキソニンちゃん子供はまだ?」

これ聞かれるのがすごく嫌。


結婚前は結婚はまだ?
結婚したら子供はまだ?


性の話はタブーとされている世の中で、結婚した途端ズバズバとプライベートに踏み込んでくる既婚アラフォー女性。


私は念願の管理職の薬局長となりバリバリ仕事をしていたし、旦那も忙しくて結婚しても子供を作る時間なんて全くなく、家に帰ったらお互い寝るだけの生活が続いていた。


…というのは表向きの話。
超草食の旦那とは付き合っているときからセックスレス
それでも結婚したら自然と夫婦生活を送るようになると思っていた。


が、一向にセックスレスが解消される日は来なかった。
職場の先輩たちからの好奇の目、義両親から孫の催促、挙げ句義祖母から子供は腹にもいないのかと聞かれ、いないと答えると上から下まで汚いものを見るかのように私に軽蔑の眼差しを向けながら、
「私(義祖母)が赤ちゃんを抱きたいのになぜ作らないの!」
と責められた。


旦那に求めても拒否されるのに私だけがなぜ責められるの…

私は追い込まれていった。
泣きながら旦那に訴え、泌尿器科を受診してもらった。


結果は仕事のストレスによるED。
バイアグラが処方され、ようやく私たちの子作りが始まった。

子供は意外にすぐ授かった
そして更なる地獄が始まった。


妊娠5週目。
自覚症状はなかったけど体調を崩すといけないので職場の人にだけは妊娠したと伝えた。
みんなが祝福してくれる中、一人無言で早退してしまった人がいた。


私より先に結婚して、早々に子作り宣言をし、何かにつけて
「子作り子作り♪」
と言っていたYさん。


子供が早く欲しいということが十分伝わったけど周囲に言うことでもない。
発情しているのか、男性社員に自分の腰を付けながら
「子作り子作り」
と繰り返していた。


Yさんに私の妊娠を伝えるのは気が引けた。
後で耳に入ったけどYさんはやっぱり私の妊娠を快く思ってなかったみたいだった。


私に子供は?と冷やかしてきた先輩達もYさんに同じことは聞かなかった。
からかわれやすい私ってほんとに損。

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本格的なつわりが訪れた。仕事は休める?

Yさんは私の部下だけど気を使いながら働く毎日。
そんな中、つわりがやってきてしまった。


朝起きる時が一番辛く、常にムカムカがある。
無理に体を起こしてなんとか仕事に行った。

日に日に強くなるつわり。
患者さんに薬の説明をして→トイレ。

ぐぇぇっ!

患者さんにさんに薬の説明をして
「お大事に(^^)」
→トイレ

ぐぼぉっ!


下を向いたら瞬時に吐ける。
患者に向かって吐いてしまわないかヒヤヒヤしていた。


食べられないから吐くものはないが吐き気が強い。
溢れてくる唾液を吐き続ける。

このままトイレに住みたい…
吐く勢いで背骨が折れそう。

なにこれしんどい、ダレカタスケテ…


患者さんにお大事にって言ってるけど、私がこの中で一番体調悪いんじゃねーの?( ;∀;)


毎日こんな感じでほとんど仕事にならなかった。
そして椅子に座って少し休んでいるときもYさんの視線が辛いからなかなか休めない。それが何よりも辛かった。

周りがどんどん妊娠していくのはおめでたい反面恨めしい。
Yさんの気持ちも分かるから余計にやりづらかった。


上司の課長に相談し、少し休暇をもらえないかと伝えたが
「つわりはみんなが通る道だからもう少し頑張ろうか」

と言われた。

えっ…これ以上耐えるの?
毎日毎日とてもつらかった。


上司の課長は私が働く薬局とは離れた本部に居てる。私のひどい状態を知らないのでそう言ったんだと思う。
薬局も常に薬剤師不足で、部下が同じ状況なら休んでくださいと言えるけど、薬局の責任者である私が簡単に休める状況ではなかった。


出産経験のある母や義母につわりがひどいことを伝えても、
ロキソニンはお母さんになるんだからがんばらないと!」

そう言われて妊娠したらこの状態が当たり前なのかと思い、職場とトイレを往復しながらなんとか耐えた。

母も義母もつわりが軽く、私が吐き通しなことは想像もしていなかったようだ。

食べなければ楽だったのでほとんど食べずに毎日を過ごした。
とんとんとんと1ヶ月で体重が簡単に6キロ落ちた。


そして 月に一度の妊婦検診がやってきた。昼からの出勤だったので朝のうちに診てもらった。

「 つわりですか?」
医師が私の顔を見るなり言った。

ロキ:「はい…気分が悪いです…。」

Dr:「では尿検査の結果を見てみます。」

医師が 検査表を見て真っ青になった。

Dr :「数値がすごく悪いです。急いで点滴しましょう。」

ロキ:「でも…私昼から仕事があるんです。点滴してる時間はありません…。」と伝えると、
Dr: 「立ってるだけでもすごいのにあんた仕事してるの!だめです!入院してください!」

仕事があるから無理だといったやりとりの中、Dr が

「入院しなければ大変なことになる」

と私にきつく言いました。


上司になんと言えば…

点滴待ちの間に課長に
「入院指示が出ました…。今から点滴を受けなければいけませんが、3~4時間かかるので少し遅刻しますがそれから出勤したらいいでしょうか…」

ふらふらで朦朧とした頭で電話した。
ろれつが回らず、仕事が仕事がと繰り返す私に引きながら

「…ロキソニン、とにかく今日は休め」
と指示が出た。

課長は私が大変な状態であることをやっと察知した。

それでも長期に休めない。

時期は2月。
来月の3月は薬の棚卸しや決算が待ってる。
薬事法も改定になる年だったからその手続きもやらないと。

私が職場の責任者だから私がいなければ指示もできない。

他にできるような人材もいなかった。

とりあえず入院はしないで、点滴に通い3日だけ会社を休むことになった。
Drは納得いってなかったが、点滴に通う条件で説得した。

いくらしんどくてもYさんの前では辛さは見せにくかったから、3日だけでも休めたのは助かった。

薬局は24時間体制

10時~19時の営業時間以外でも、患者さんからの電話が繋がるように転送電話を持っていた。
誰が持ってもいいんだけど、持って帰ったところでお給料が上がるわけではないのでつわり中でも当たり前のように私が持って帰っていました( ;∀;)


吐き気が止まらない中で夜中に電話が鳴った。
旦那にインフルエンザの薬を飲ませたけどまだ熱が39度近くある。
本当にこの薬は効くの?というおばあさんからの世間話的な電話。

インフルエンザウィルスをやっつけるので効きますよと答えるも、本当に効くんだろうかとの繰り返し。

これが30分ほど繰り広げられた。

お、お願い、もう許して…

気分が悪くてしんどくて、吐きづわりの他に唾液つわりもあったので溢れる唾液をたまに吐き出しながら対応した。

妊娠中に会議に出席!体調はどうなる?

妊娠6ヶ月。見た目には分からないけど、脱ぐとだいぶお腹も出てきた。

そんなときに新幹線で3時間離れた場所の会議に出ろと言われた。

スーツが入らない。
移動中に体調が悪くなったらどうしよう…

もう薬局長の後任が決まっていたので上司に、後任に代わりに会議に出てもらえないか相談した。

「会議に出るのも薬局長の仕事。嫌なら薬局長降りるか?」
と言われた。

私が部下だった時は薬局長が遊びの用事があったときは私が代わりに会議に出たことありましたけど…

言い訳も空しく、会議に出ることになった。

家ではずっと寝ていて、マタニティのスーツを買いに行く時間もなかったので旦那のスーツを借りズボンの裾を縫い上げ、ジャケットは私のスーツを着てごまかした。

往復6時間、会議5時間で計11時間。

足は象のようにむくみ、気分が悪くてお腹が張って。会議後は寝込んだ。
しかも後もう一回遠方の会議があった。


何度ももうダメかと思うくらい妊娠中の仕事は辛かった。
あの瀕死の状況で患者さんに渡す薬を間違えなかったのは運が良かったとしか思えない。


悪いのは休む勇気を持てなかった私。でも上司に休まず頑張れと言われたり、薬局の人不足は他の従業員よりも私が一番分かっていたので体が少しでも動くなら働く選択肢しかありませんでした。

他の薬剤師さん達は気の毒そうに私を見守っていましたが、みんな仕事ができる方ではないので私の指示待ち(*_*)

私の休みの日にも
「薬局長、すみませんこの件ですが…」
と電話がかかってくる始末。

こんな状態で休めなかったよ( ;∀;)

子供はまだ?と挨拶代わりにしつこく聞いてきた先輩や義両親、義祖母から労いの声は一つもなかったのはとても悔しいことでした。

この記事を読まれた出産予定の女性の方へ

妊娠によるつわりは脱水症状、臓器障害、赤ちゃんが早産になるなど取り返しがつかなくなることもあります。
誰も守ってくれません。会社に休ませてくださいと言える勇気をもってください。
あなたの赤ちゃんのために。
私のようにならないでくださいね。


私がつわりで苦しんでいたときの旦那の話。このときは殺意がわいたな~
www.yakuzaishi-mama.com


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